お金の話

気が付かないうちにマルチに勧誘されていました(後編)

マネーゲームを遊ぶにはその会に参加するしかないため、

片道1時間くらいの道のりを合計10回ほど通ったのですが、

3、4回くらいから少しずつ講義の時間が入るようになり

講義の予習として推薦図書が与えられました。(自分で買い揃えるのですが)

ちなみに推薦図書の内容はうる覚えですが一覧はこんな感じです。

・金持ち父さんと貧乏父さん

・金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント

・金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法

・金持ち父さんの企業する前に読む本

・僕に友だちはいらない

・ちきりんの未来の働き方を考えよう

後何冊かありましたが、手元に残っているのはちきりんさんの本だけです。

読みやすい本、読みにくい本がそれぞれありましたが、

何とか期間内に読み終えることができました。

実はこの目標達成にもマルチっぽい仕掛けがありまして、2回目くらいにメンターと呼ばれる人がついてLINEを交換します。

ゲーム会の終わりに「課題図書のリンクを送るから、●●さんにLINEで教えてもらって」とか言われるのです。

この人から課題図書を紹介してもらいつつ「1ヶ月で●冊読み切るようにしてね」と言われます。

1冊読み終わったら報告をする必要があるため、読まないわけにはいかなかったです。

さらにその後ゲーム会に参加する際にはその人経由で予約をするようになり、

スケジュールがコントロールされるようになりました。

初級者→中級者→上級者(勧誘対象)それぞれ向けにゲーム会が用意されていて、

「同じくらいのレベルの人と遊ばないとつまらないから」と言われますが、

実際は、ゲームと書籍により彼らにとって望ましい思考に変化しているのをランクで分けて、

最後に本格勧誘をするという仕組みだったのだと思います。

少し異常な状態でしたが、話をする友人がおらず

ゲームも楽しく講義などで生き方の勉強にもなっているため、

自分がマルチに勧誘されるステップを踏まされている実感はほぼありませんでした。

もう一つ盲目になっていた理由としては、

当時離婚をしており、恋人がいない状態だったため、

このゲーム会に参加する女性との出会いを期待していたというのもあります。

時々参加する、ベテランメンバーの女性に明るくて可愛らしい方がいたため

ゲーム会に参加していたら出会えないかな、

一緒のボードでゲームをしてサポートとかをして貰えないかな

という気持ちがあり、ゲーム会に参加してその後の喫茶店での反省会までが楽しみになっていました。

ちなみに、ゲーム会に参加しはじめて1ヶ月後くらいに数十人が参加する大規模なバーベキュー会などが開催されました。

出会いを期待していた自分は当然参加しました。

メンターやゲーム会で会った方も数名いましたが、

大半が年齢も仕事も何もかも分からない人の中に入り、

バーベキューを楽しみながら会話するとか、よくやったなぁという感想です。

このゲーム会を通して女性との出会いに繋がることはありませんでした。

今思うと出会いがなくて本当に良かったです(笑)

おそらく、このメンター制度だけではなく、異性との出会いという部分も含めて仕掛けになっていて緩い拘束をかけながら勧誘まで進める手段なのだと思います。

なお、後日分かるのですがこのメンターがマルチでいう自身の親になります。

マルチのビジネスは自分の子となる人を勧誘して増やし、親がその売上の一部を吸い上げていく仕組みです。

子がいないで儲けることはできないため、勧誘は必須です。

ただ、街中での勧誘などは誰からも警戒されるため

メンターが子を作るための仕組みとして一番の親(このマルチチームのオーナー)が用意したのがゲーム会で、

勧誘によってマルチを始めた人は、勧誘するためにこのゲーム会にボランティアとして参加して

ゲームを目的に会に参加する新人を割り振られてメンターとなり、

メンターとして子の候補の人を育てる(最終的に勧誘する)のです。

私は(多分)最後までたどり着いたようで、

ゲーム会に10回参加し、

課題図書を全て読み終え、

特別講義に誘われました。

特別講義の内容は、

2〜30分のビデオ鑑賞

30分のマルチビジネスの勧誘

でした。

特別講義の参加者は5、6人で、

見させられたビデオは何かの本で読んだことがある内容です。

「水が近くない村があり、自分はそこで水を汲む仕事をしている2人がいる。

 1人は稼ぎを増やすために、バケツをもう一つ買って2倍働いて小金持ちになる。

 しかし、怪我をして無理が効かなくなり収入は落ちてしまう。

 もう1人は、川から水路で村に水を引くために工事を始める。

 最初は全く儲からなくて辛い状態が続くが、水路が村まで届くと状況は一転

 仕事をしなくても水は村に届き、それにより巨万の富を得ることができる。

 さらに、この水路ビジネスを拡張して他の村にも水を引き、

 多くの富と社会貢献をする。」

というような話です。

前者が会社員のあなた、後者がビジネスオーナーだというのです。

ここで、幸せになるためにはビジネスオーナーになるしかない!と意識をつけた後に勧誘にて、

「ビジネスを始めるのはリスクがうまれるが、

 気軽にチャレンジをする方法がある。

 それが「ニュースキン」だ、という説明になります。

(僕はアムウェイしか知らなかったので、名前を聞いてもピンときませんでしたが

 他の参加者の人は「ああ」という声が出ていました。大手らしいですね。)

勧誘後、数日以内にビジネスを始めるか判断をしてほしいと言われます。

もし、ビジネスを始めない場合でもゲーム会へは引き続き参加OKと言われました。

結論として、私はその日のうちにメンターに断りの連絡を入れて、

その後ゲーム会に参加することは有りませんでした。

断った理由は、美容品とかを販売する事業に興味を持てなかったからです。

やるなら小さくでも自分で考えた事業をトライしたいと考えています。

断った後、しつこい勧誘などがあるかなと少し心配しましたが

その後、特に連絡はなくスッパリと関係が切れました。

以上が僕のマルチ勧誘体験です。

これらは約3〜4ヶ月内で起きたことです。

掛かったコストは下記です。

・数十時間のゲーム会+講義への参加時間

・ゲーム会参加費1000円×10回+交通費

得たものは大きいと感じていて、正直この経験は自分にとって大きくプラスでした。

特に課題図書を読み、それについてメンターと語り合う機会や

講義等を通して、自身のお金への考えの甘さに気がつける機会は、

得たくても得られるものではないと思います。(もっと大きな失敗で気が付くことかもしれません)

離婚後にも自分を変えられず色々悩んでいた自分自身を

変化させるきっかけになりました。

そういう意味で、ゲーム会を開催していたマルチのチームの皆さんには感謝しています。

そんな私の経験したマルチ勧誘でした。